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2026.05.28

伝統と洗練。伊平屋島の「黒糖」が、チョコバーに魔法をかけるまで

断面の美しさにもこだわった「タンナファクルーチョコバー」

伊平屋島の黒糖が、「チョコレートバー」という贅沢な調和

口の中でゆっくりと溶け出すチョコレートに、ザクザクとしたナッツや異なる素材が混ざり合う。チョコレートバーというお菓子の醍醐味は、その多彩な食感と、計算された味のレイヤーが生み出す「調和」にあります。

この完成されたスイーツの世界に、伊平屋島の黒糖を使った沖縄の伝統菓子「タンナファクルー」を使ったらどうなるか。そんな大胆な試みから、新たな逸品「タンナファクルーチョコバー」が誕生しました。それは、単なる新商品の枠を超え、伊平屋島の豊かな自然と伝統を、今の時代に合う『新しい定番』へとアップデートする。そんな試みが形になりました。

31のアイデアが競った、理想の「形」

このプロジェクトは、沖縄本島内外でホテル事業を展開するリゾーツ琉球と、沖縄本島の北西に位置する伊平屋村による共同開発プロジェクトとして始動しました。

那覇市にある「ホテルアクアチッタナハ」では、以前から朝食ビュッフェで伊平屋村産の「もずく」や「黒糖」を提供しており、宿泊客に島の味を伝えてきました。この食体験をさらに広げ、形に残るお土産として昇華させるべく、社内でタンナファクルーを活用したレシピ案を公募。すると、社内の伊平屋村に対する関心の高さを示すように、実に31点もの独創的なレシピが集まったのです。

集まったアイデアは、ティラミス風のデザートからお酒のおつまみアレンジまで多岐にわたりました。それら一つひとつを実際に形にし、伊平屋村長やホテルの総料理長らが参加した厳正な試食審査会を実施。その中で圧倒的な支持を受け、見事1位に輝いたのが「タンナファクルーチョコバー」でした。

なぜ、このチョコバーが選ばれたのか?
「やはり味ですね。素直に食べて美味しいです。そしてチョコレートとアーモンド、タンナファクルーのバランスがとても良くて。そこが評価されたのだと思います」

開発を担当したホテルアクアチッタナハの料理長・比屋根さんは、選出の理由をそう振り返ります。さらに、多くのレシピが冷蔵や冷凍での保管を前提としていた中、常温で保存でき、スティック状で手軽に楽しめるという「実用性」も、お土産としての大きな評価ポイントとなりました。

「伊平屋の黒糖はものすごく美味しいです。黒糖は砂糖ですが、くどくない自然な甘みを感じますね」と語る比屋根料理長

素材の核心。伊平屋島が育む「奇跡の黒糖」

この商品が「タンナファクルーチョコバー」である最大の理由は、その主原料であるタンナファクルーに使われている伊平屋島産の黒糖にあります。

エメラルドグリーンの海と手つかずの自然に囲まれた伊平屋島は、まさに素材の宝庫です。比屋根料理長は、商品開発にあたって改めて現地の素材を口にし、その品質の高さに驚かされたと言います。

「伊平屋の黒糖はものすごく美味しいです。黒糖は砂糖ですが、くどくない自然な甘みを感じますね」

この「自然で上品な甘み」こそが、伊平屋島の風土が育んだ宝物です。チョコバーの中に入れられたタンナファクルーから、その程よい甘さがしっかりと立ち上がります。比屋根料理長は、この黒糖の風味を殺さず、かつ引き立てるために、合わせるチョコレートの種類を徹底的に検討しました。

「タンナファクルーに合わせるチョコレートは、ミルクやビターなどいくつか試しましたが、素材たちとの相性はビターが1番良かったので取り入れました」という製作過程を経て、今のチョコバーが完成しました。

シンプルゆえの「奥深さ」を職人が洗練

「タンナファクルーチョコバー」の素材は、タンナファクルー、チョコレート、アーモンド、くるみの4つだけです。このシンプルさは、レシピ考案者の「作りやすさ」や「親しみやすさ」というアイデアを尊重した結果でもあります。しかし、商品として完成させるためには、職人としての緻密な計算が必要でした。

比屋根料理長は、以下の点に徹底してこだわりました。

断面の美しさ カットした際に、タンナファクルーと2種のナッツが最も綺麗に現れるような配置と大きさを追求しました。
食感の楽しさ タンナファクルーが程よく感じられる量と、アーモンド・くるみの歯応えが絶妙に絡み合うバランスが考え抜かれています。
素材の安定性 「ナッツ」を入れるというレシピ案に対し、安定して高品質なものを届けられるよう、調達しやすいアーモンドとくるみを選定。価格はお手頃に、タンナファクルーやチョコレートに最高に合う組み合わせを決定しました。

「基本は混ぜるだけなので比較的作りやすいです。この作りやすさも開発する上でのコンセプトなので、そこはレシピ考案者のオリジナル性を大切にしました」。レシピ考案者のアイディア、そして、比屋根さんの再現する工夫が重なりあって誕生したのがこのタンナファクルーチョコバーです。「基本は混ぜるだけですが、だからこそ細部の調整が味の決め手になる」。比屋根料理長のそんな想いが、考案者のオリジナリティを一段上のクオリティへと押し上げました。

伊平屋島の魅力を広める新しい手土産として

「タンナファクルーチョコバー」は、単なる一ホテルのお菓子という枠に留まりません。それは、伊平屋島の地域資源を世に知ってもらい、島を盛り上げるための「架け橋」として誕生しました。

沖縄本島からフェリーで渡る伊平屋島は、アクセスが限られているからこそ、その魅力がまだ広く知れ渡っていない側面があります。

「伊平屋産の黒糖を使ったタンナファクルーの存在を知らない観光客の方にも、このチョコバーをきっかけに、タンナファクルーを購入して食べてみたいと思ってもらえたら嬉しいですし、伊平屋島の魅力を感じてもらえたらいいですね」

比屋根料理長が語るように、このチョコバーは、手軽に手に取れる「伊平屋島との架け橋」のような存在です。今後は「ホテルアクアチッタナハ」や、グループホテルである「瀬長島ホテル」での販売が予定されており、その他沖縄県内外での販売も予定されています。

フェリーでの船旅のお供として、あるいは大切な人への新しい沖縄土産として。シンプルながらも丁寧につくられたこのお菓子は、伊平屋島の新しい「顔」となり、島と人々をより強く結びつけていくことでしょう。

商品開発に関わったすべての人々の想いが詰まったこの一本が、今日もどこかで誰かに、伊平屋島の優しい甘さを届けています。

伊平屋島と人々を繋ぐ、新しい架け橋「タンナファクルーチョコバー」

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